2010/04/26

最新グリッド情報

Original Title: Grid Update
Original Posted: FJ Linden, Apr 26, 2010 7:08:31 AM
Viewer 2リリースの関係で、遅れていたグリッドインフラ再構築の続報です。

まず、データセンターの移行・再構築は、Linden最初のデータセンターであるサンフランシスコ・データセンター(SFO)は2月末に完全にシャットダウンされました。再構成、およびLLnetの冗長性拡張を行ったダラス・データセンター(DFW)と、ワシントンDC郊外ににある新しいデータセンター(DCA)の稼動も、3月後半に作業を完了しています。これらの変更に伴いフェニックスにある施設(PHX)でもサーバ・負荷分散作業を終えています。これで合衆国内にあるデータセンターはDFW(ダラス)、DCA(ワシントンDC)、PHX(フェニックス)の3つになります。
今後はDCAとPHXで今年いっぱいサーバ増設を行い、さらにヨーロッパへ目を向けます。ヨーロッパへの物理的な設備計画は2010年後期、と言いたいところですが2011年前半になるでしょう。同様にアジア太平洋地域へは計画が2010年後期、展開作業は2011年後期を目標にしています。

再構築計画の最大の焦点はグリッド調整のためのシミュレータ、バックエンド・システムおよびサービスを進化させることです。Core Engineeringロードマップの2010年の主目的は、サーバの仮想化と仮想化による恩恵をシミュレータに反映させる設計になります。実現すればシミュレータの負荷はピーク時でも50%を超えず、アバター数や装着プリム数が増えた場合でもシミュレータにキャパシティの余裕が持てるようになるはずです。実現は簡単ではありませんが、今後12ヶ月で必ず解決しなければならない問題です。

このエントリーのポイント、アセットのストレージは、現在DFW(ダラス)とPHX(フェニックス)のデータセンターにあるIsilonストレージ・クラスターとAWSクラウドのセキュアード・ストレージAmazon S3で構成されています。過去数ヶ月の間、現在のストレージ環境を評価した結果、すべてのアセットをAmazon S3に移行することに決定しました。アセット・システムとグリッド間のアセット・マネジメントがresidentsへの影響が大きいことは理解していますので、システムの再設計は今年中に「完了すべき」目標です。

現在我々はアセット・システム再設計のフェーズ1におり、まだプライマリ・ストレージはIsilonクラスターで、セカンダリ・ストレージがAmazon S3となっており、アセット要求は以下のように行われます。
  • ViewerからSimulator、Simulatorから負荷分散装置、負荷分散装置からIsilonクラスター
この過程のいずれにもアセットが含まれない場合、要求はSimulatorに戻され、Simulatorからプロキシ・サーバを通してAmazon S3へ要求を送り、応答がViewerへ直接返されます。ですのでこの環境ではS3からの応答がresidentsへ届くのに少し遅延が発生します。しかし、内部で行われたパフォーマンス調査ではIsilonからの応答よりもS3からの応答の方が速いという結果がでていますので、S3にアセットすべてを移行することで恩恵が出るはずです。

再設計の次のフェーズは第3四半期の前半に開始される予定で、中間キャッシュ・レイヤーの構築とAmazon S3への完全移行になります。